藤巻健史 マネーはこう動く 2007年7月初版発行

マネーはこう動く―知識ゼロでわかる実践・経済学

マネーはこう動く―知識ゼロでわかる実践・経済学

マネーはこう動くのメモ

① マネーは余っている。
理由:
日銀のバランスシートは膨れ上がっている。1991年の資産21兆円。2006年の資産116兆円。この資産中80兆円が国債。
また、日本の個人の預金1550兆円。これは銀行へ現金預金されている。これは銀行のバランスシート上右側の負債になっており、左側の資産に国債がある。本来、ここには企業への貸し出しで占められていなければならないのに、企業が株式等で直接資金を集めており、銀行は国債を買うしか無い。
これが、政府の財政政策と一致して、国債の異常は発行を後押しした。更に、異常な発行が可能となった理由として、本来であれば、過剰な財政政策は、長期金利の上昇を促し、国債の価格を下げ、国債の発行にブレーキが掛かるのが市場のメカニズムであるにも関わらず、長期金利を政策的に抑えている為、国債の発行を野放しにしている。

② マネーはどこへ消えたのか?
ベースマネーは増えている。
ベースマネーが増えているにも関わらず、信用創造が発生していない為、マネーサプライが増えていない。
このメカニズムが壊れると(正常に戻ると?)、マネーサプライが一気に増加する。

③ 経済政策

  • 金融政策(日銀)
  • 財政政策(政府)
  • 為替政策(日本では、どこもやっていない)

民主党が、なぜ日銀総裁を財務省経験者では駄目だと言っていた理由が分かったが、こういった議論は新聞では書かれていなかったなあ。この章は次の第四章の説明の為の前置き。

為替政策については、僕の見方は違うので、これは割愛。

④ 日本の財政は悪い
相場操縦
市場のメカニズム
財政政策が発動 → 長期金利上昇 → 国債が下がって財政出動にブレーキ
これが、財政政策が発動された場合、市場のメカニズムによりブレーキが掛かる訳なのだが、日銀が長期国債を買い続けた事でで、長期国債の価格が上がり、長期金利が低下した。

金融政策が市場のメカニズムでブレーキが掛からない様に長期金利を下げている為、財務政策(道路とかへお金を使う事)にブレーキが掛からず、日本の国債発行金額は増えていった。

⑤ 長期金利は今後は上がるか?
市場のメカニズム:国債の値段は長期金利で決まる。
この市場のメカニズムを利用した? 或いは、このメカニズムに逆らったのが、現在の日本の経済政策。
藤巻健史氏の結論は「長期金利は今後上がる」。

⑥ 為替はどうなるか?
藤巻健史氏の為替に対する感覚は、僕と違うので、この章はパス。

⑦ 不動産マーケット
理論値はいいかげん。
少子化は下落原因にならない。
モルガンスタンレーは2006年12月に一兆円の不動産ファンドを設立。その後2007年4月に二兆円へ増額。ターゲットは日本。

⑧ 株のマーケット
これも僕の感覚と違うのでパス。

⑨ いま世界経済は。
日本の新聞が書かないけど、今の世界は30年ぶりの好景気。IMFのレポートでは世界の経済成長率は4.9%。これがメインシナリオ。新聞はリスクシナリオのみ書いている。
BRICS向け投資信託は流動性リスクに注意。
アメリカ経済
アメリカのダウは躍進しており、市場最高値。