太宰治 斜陽

何週間か前にダイソーで100円で買って読んでいなかった文庫本。
今日、電車の中で読む文庫本が無い事に気が付いて、買って読んでいなかった太宰治の斜陽を鞄に入れて電車の中で読み始めたのだけど、途中から止まらなくなった。この小説は凄い小説。
有名な小説だけにタイトルは知っていたのだけど、走れメロスの太宰治の小説だし、有名な書き出しの「朝、食堂でスウプを一さじ、すーと吸ってお母さまが、」とか、このダイソーの100円の文庫本の帯の「戦後日本の没落貴族の姿から人間の美しさ、はかなさ、強さを描く」とかで、つまらない小説とずーと思っていたのだけど、この小説は全然違う。
主人公かず子の、弟の直治の師である上原二郎への恋愛。6年ぶりの再会に幻滅しながらも子種だけ貰う。恋愛と革命だけが生きる理由。直治の恋愛と自殺の理由。
教科書で読むような小説では無いし、自分の人生、今の世界に満足している人が若い人に読むのを進めるべき本では無い。つまり、主人公かず子、直治の様な生き方がある事を若い人に教えてしまうような危険な小説であり、ロード・ムービーと言うか、パンク小説と言うか。
太宰治は上原二郎に自分自身の姿を描いている。