HBR 2008年9月号 Opion 野村総研 リチャード・クー

日本では90年代の頭よりバブルの崩壊によって「バランス・シート不況」が発生した。この為、15年間で1500兆円の国富が失われた。これは日本のGDPの三年分にあたる。しかし日本では「バランス・シート不況」を克服した。

「バランス・シート不況」下では、企業は目的は「利潤の最大化」では無く、「債務を最小化する事」に代わり、企業の余剰資金は投資に回らず借金の返済に使用された。また、金利が下がっても借り手がいない。投資が行われない為、経済が刺激されない。

経済がこういう風に不活発になると、「デフレ・スパイラル」に陥るが、日本が「デフレ・スパイラル」に陥る事がなく、「バランス・シート不況」より抜け出す事が出来たのは、政府が財政出動(財政政策)によってGDPを維持したから。GDPが維持されていれば失業も酷くならず企業が収益を上げ、いずれは企業の借金も無くなる。

金融機関への資本注入によって金融システムを維持したから(金融政策は行っていない?と読むのかな)。

だから現在の米国のサブプライム問題の対策として、米国の政府も同じことをすべき言うこのリチャード・クーの論文の趣旨なのだろうけど、明確に自分の理論が書かれていた記事だったので目に留まった。

補足:
今日、池田信夫Blogでリチャード―・クーがボロクソに貶されていたので、リチャード・クーでググってみると、色々な記事が既にインターネット上で掲載されていて、この論理は新しい意見では無く、昔からのリチャード・クーの自論である事が分かった。 NIKKEI NETのBiz Plusで詳しく読めた。

今月のHarvard Businessは色々突っ込みどころがあって、後、新生銀行をIT化が成功した銀行とした論文、Googleの掲載されている。