野沢 尚 破線のマリス

野沢 尚 破線のマリス

破線のマリス (講談社文庫)

破線のマリス (講談社文庫)


1997年の第43回江戸川乱歩章受賞の作品。ブック・オフの100円コーナーで購入。イギリス出張中に読む。最後のどんでんがえしに泣けてくる。今回の出張中に読もうとして選んだ本は、日本国債、普通の生活、この破線のマリスと言い、全て主人公が離婚した後の話。特に、日本国債も破線のマリスも女主人公が離婚したのだけど、子供が居て(日本国債は女主人公が育っている、破線のマリスは別れた夫が育てている)、この子供がポイント。

解説で、郷原宏氏が、

「一にテレビ、二に漫画、三四がなくて五に小説」といわれた時代がある。(中略)才能に自身のない者、あきらめの悪い者は新聞記者や編集者になり、最初から醒めた者たちは銀行員や商社マンになった。70年安保という名の台風が通り過ぎたころの話である。

の一文が残った。