野沢尚 呼人

野沢尚 呼人

これもブック・オフの100円の平積みで見つけた本。
野沢尚破線のマリスを読んで面白かったので買ってみたのだけど、これも面白い。この面白さって言うのは、さすがにTVの脚本家だなあと思わせる上手さで、主人公の設定、主人公の友人が有名な事件の当事者であったり、主人公の母親の設定も、学生運動の世代の人にとっては憧れの設定なのだろう。主人公のラブ・ロマンスも入っているし。
結局、幕の内弁当の様な面白さなので、この面白さを許せる人と、つまらない陳腐な設定と思う人がいるのだろうと思う。僕はこの面白さも許せるので。
話のネタが結構入っているので、もう少し長編にしても良かったのでは。このネタで一冊しか書いていないので、幕の内弁当の比喩が出てきたと思う。

呼人 (講談社文庫)

呼人 (講談社文庫)