チェ・ゲバラ モーターサイクル・ダイアリーズ

モーターサイクル・ダイアリーズ (角川文庫)新宿から私鉄で急行でも30分以上の乗車時間の東京郊外の住宅地の駅。 新しく開拓された場所の為、駅前に商店街は無く、駅に近接したビルの1階、2階に西友の食料品と衣料品が入っている駅ビルと言っても良い雑居ビルがあって、ここの3階に小さな本屋が入っている。 

ビルの名前を上げると僕が住んでいるいる京王永山小田急永山のグリナード永山と言うビルなのだけど、ここの3階の本屋でチェ・ゲバラの特集コーナーが出来ている事を昨日、発見して驚いた。

映画の影響なのだろうけど、いくらなんでも職業革命家の特集コーナーが郊外の住宅地の駅ビルの中の小さな本屋で特集コーナーで展示されている事に驚いた。 チェ・ゲバラも、NHK大河ドラマの武将の主人公と同じ感覚で世の中で取り扱われているのかな。

この特集コーナーの中で昨年末に、ブルータスの「本」の特集の中で取り上げられていたチェ・ゲバラモーターサイクル・ダイアリーズが置いて有って喜んでしまった。

この本を読みたくて昨年末に西新宿のブック・ファーストまで行って探したのだけど見つからなくて。 僕は海外小説の単行本のコーナーを探していたので、文庫本で出版されているとは思っていなかった。

本の中身は、23歳から24歳の時にチェ・ゲバラが友人と、アルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビアと無銭(?)旅行をする話し。本のタイトルにモーターサイクルと書かれているが、旅行開始直後にモーターサイクルは壊れ、ヒッチハイクの旅になるのだけど。

チェ・ゲバラの若い時期のこういった旅行記も残されている事を考えると、チェ・ゲバラは文章を書いていた人だなあと思う。 ゲリラ戦の戦いの中でも本を読んで日記を付けていたし。 僕もアウトプットをする事を本当に習慣付けなくてはいけないと思ったのが、この本を読んだ最初の感想。

チェ・ゲバラの旅行記の内容として驚いたのは、まだチェ・ゲバラは旅行の中で出会った貧困とか生活に対して政治的な見方はまだしてなく、本当にアルゼンチンの中産階級の若者が楽しんで無銭旅行を楽しんでいる。無銭旅行と言っても、医者関係の紹介者は居た様で、後は警察で泊まったり、食事を奢ってもらっている。 日本人のバック・パッカーの旅行記と同じノリの本。

チェ・ゲバラはアルゼンチンの中産階級と言っても、上流に近い階級だったので、無銭(?)旅行中も、自分が白人である事も充分に理解し、それを旅先で利用している。

インデオとかの現地人に対しても、自分とは違った人種であると区別し醒めた目で見ている。 そこには、彼らの生活を見て医者としての使命感は感じられても、革命運動に結びつく様なシンパシーを感じられない。

この旅行の後、チェ・ゲバラが何故、革命運動に入っていたのか、この旅行は24歳の時なので、映画のタイトルになった28歳の時までに、何が彼を変えたのか、それに興味を持った。