クリス・アンダーソン フリー
僕はこの本の日本語訳本の出版前にそんな事が有った事は知らなかったけど、出版業界では、この原本と日本語訳本のマーケテング自体が話題になった様です。
著者はこの本の中で説明したマーケテング手法の実行として、出版前にネットで無料でダウンロード出来る様にした。
英語版原書は2週間限定での無償ダウンロードが出来る様にした結果、30万部がダウンロードされた。
日本では1万部限定で無償ダウンロードをしたところ、43時間で1万部がダウンロードされて終了。それでも日本語訳本は16万部を販売した。
また、前作では翻訳前に原書を読んだ人のネットでの書評が評判になり、ロングテールと言うキー・ワードが普及して、本を購入しなくても読んだ気になってしまって実際の本の売上に影響した。 その為、今回は翻訳期間と出版までの期間を会社を上げて早くした。
本の中身の話として、フリーのビジネスモデルとして下記4種類に分類している。
① 直接的内部相互補助 ② 三社間市場 ③ フリーミアム ④ 非貨幣市場
ネットの世界にどっぷりとはまっているヘビー・ユーザーにとっては、この本を読んでも記事の中に特に目新しい内容はないのだけど、ネットに余り接していない一般の人(?)にとっては目新しい記事が多いのかな?
ネットのヘビー・ユーザーにとっても、著者の分析は前回の「ロングテール」と同様、上手いなあと思う切り口での著書であり、今後のビジネスの方向性、ビジネスのアイデア創出に役立つ本だろう。
個人的にはしっくりこないところもあって、それはこの本に限らずネット上で論議されている内容が食料品とか物質的な製品でのビジネスを対象とせず、形の無い、物質が無いサービスでのビジネスを主な対象として論議している事なのだけど。