三鷹天命反転住宅

何年か前、買い物で東八道路を車で走っている時に、変わった建物があるなあと思った。 当時の僕は、多分、フンデルトバッサーの影響を受けた建築で、東京都内でありながら、幹線道路を中心とした地方都市の雰囲気を持っている三鷹市の東八通りの風景とは全く調和せず、一人異彩を放っている事が面白かった。 ヨーロッパの郊外であれば、それなりに回りと調和する思っていたので。 
それからしばらくしてから、その建物が三鷹天命反転住宅と言うマンションで有る事が分かり、東八道路を走るたびに気になっていた建築だった。
昨年、この建物の見学会が不定期に開催されている事を知ったのだけど、既に満員だったり、スケジュールが合わなくて行けなかったのだけど、昨日の土曜日に、やっと行く事が出来た。
駐車場が無いと聞いていたので、調布駅から路線バスで向かう。実はドイツへ転勤になる前の約一年、調布飛行場の直ぐ横のアパートに住んでいたので、雨の日は、この路線バスを使用して通勤していた。 当時、住んでいたアパートは、本当に調布飛行場の直ぐ横に建っていて、アパートの裏側に飛行場の塀の壊れた箇所が在り、そこから飛行場の中へ入れる事が出来て、割と気に入っていた場所だった。 その頃から、既に20年経っていて、味の素スタジアムが出来ていたり変わっている事は知っていたが、天文台の前の薄暗い通りが広くなって、明るくなっていた事は意外だった。
三鷹天命反転住宅の見学会について、僕は普通の見学会、つまり建物の説明とかを聞く会と参加するまで思っていたのですが、会場へ行ってから今回の見学会が、「建築する身体の見学会」と言うコンテンポラリー・ダンサーのjouさんがナビゲートするワークショップ形式と聞いて、最近、全く体を動かしていない僕は「間違えた」と思ったのですが、目を閉じて裸足と両手で部屋の中を移動したり、変装、音を出す等のパフォーマンスでは、童心に返ってしまった。 やはり体を使わなければ、と変な所で反省してしまった。
部屋自体の紹介は写真を見た事があったものの、その空間の中に身を入れると、写真での印象より、調和が取れており、複雑な形をした建物、付属物の色も、住宅の中の色々な角度で見る訳だけど、どこから見ても色が煩くならない事が驚きで、床が平らでは無く、海岸の砂浜の様にでこぼこして、小石をいれたコンクリートで出来ている事も発見。
まだ、空室がある様で、一ヶ月の賃料が約20万円くらいだったけど、一週間の短期であれば、旅行代わりに滞在するのも面白いかなと思ってしまった。

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