西村賢太 苦役列車

苦役列車

今年第144回の芥川賞のTVニュースを見た時に、生い立ち外見も対照的な西村賢太氏と『きことわ』の朝吹真理子女史が受賞していて、これは本当の芥川賞の受賞のニュースでは無く、TV番組か新作の映画のニュースの様に感じた。あまりにも対照的な男女二人の同時受賞だったので。

先週の三連休に読もうと思っていたのだけど、雪で寒くて本屋に行くのも億劫だった。だけど煙草を切らしたので仕方無く近所のコンビニに行ったら、雑誌のコーナーに文藝春秋が置いてあったので購入した。 普段、このコンビニで雑誌を買わないので、何時も文藝春秋を置いてあるのかどうかは知らないが。

まずは西村賢太氏の苦役列車を読む。読む前の先入観として、暗い感じの小説と思っていたけど、ストーリの内容に反して明るい感じ。自虐的な話しなのだけど漫画的で、芥川賞を受賞した私小説と思って身構えて読むと肩透かしを食う。途中からストーリがどう展開するのかなと思っていたのだけど、友人の日下部が最後に美奈子と結婚して、貫多と年賀状のやり取りだけはしているエンデングがほのぼのとして良いと思う。

この小説が掲載された文藝春秋をコンビニの雑誌コーナーで買った事は、雪が降った偶然なのだけど、こんな感じで軽く読むのが正解と思う。