トマス・ピンチョン ヴァインランド

ヴァインランド

自宅近くの私鉄ターミナル駅にも大規模な本屋が出来たので、休日に都心まで行かなくても、本屋で本を眺めながら時間を過ごす事が出来る様になった。海外文学だけでも30メートルぐらいの棚一列分を占めており、米国文学もその3分の1くらいをしめていて、知らない作家の本がある。

このトマス・ピンチョンについて今まで名前も知らなかったが、米国文学の棚の中で大きなスペースを取っているので気になり、一番読みやすそうなこの本を購入した。 

僕が購入したのは新潮社版で4,000円したのだけど、新訳が河出書房新社池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第2集で2,800円で販売されている。

この本についての感想は難しいなあと思いながら、このブログを書いているのだけど、ストーリーだけで、元ヒッピー、元フラワー・チルドレンの時代のバンドマンで、今は生活保護とガラスに飛び込む芸で生活をしているゾイドと言う名前の中年男性と、彼の娘プレーリィーが、プレーリーの母親であるフレネシを探す事がメインの流れと思うけど、フレネシは元活動家のカメラマンで、彼女の元彼がブロック・ボンドと言う大物?検事?

色々な読み方の出来る本で、普通は現在のシーンから回顧シーンに移動する時に、それが読者にはっきり分かる様に書かれているが、この本はその転回となるツナギの部分が無く、突然、回顧シーンへ移動している。 しかし描写自体がシーンごとに書き分けられているので、この描写を味わう様に読まないといけない文章。