マイケル・ルイス ブーメラン

マイケル・ルイス ブーメラン

グレゴリー・ザッカーマンの「史上最高のボロ儲け」を読んで、サブプライム問題で大儲けした人の人物像が面白かったので、マイケル・ルイスの「世界の空売り」も読もうと思い、先週末に本屋へ足を運んだが、「世界の空売り」の在庫が無く、最新作のこの「ブーメラン」を購入。

 

この本の感想を一言で言うと、面白くない。

 

マイケル・ルイスがギリシア、アイスランド、アイルランド、ドイツ等を訪問して、そこで主要人物(?)とインタビューした内容を元に、ギリシャだったら公務員の酷さ、アイスランド、アイルランドではバブルに溺れた話が書かれているのだけど、主要人物(?)の立場が曖昧で、政府側の責任者でも、バブルを発生させた張本人でも無い中途半端な立場の人で、彼らの語っている内容が、当事者として真面目に状況を語っている訳でも無く、被害者として愚痴で大袈裟に言っている様にも取れる内容。

インタビューを元にするのであれば、政府側の責任者とか、バブルを発生させた張本人とか、もっと核心で働いていた人の説明であれば、それなりに評価出来るのだけど、中途半端に被害を蒙っている人の愚痴と、著者の表面的な印象をそのまま記事にしている気がする。

現在の欧州の金融危機の説明としてはギリシャ、アイスランド、アイルランド、ドイツの記事の内容は新聞等でも既に書かれている内容で新鮮な内容は無い。

最後に、元カルフォルニア州のアーノルド・シュワルツネッカーとのインタビューを元にした内容(これも愚痴っぽい)とカルフォルニア州の財政状況の内容は、私は知らなかった内容だったので、この本の価値はこの章だけかなと思ってしまった。

アメリカのサブプライム問題、金融危機が、欧州の財政危機の問題を表面化させた事(バブルを終息させて事)、欧州の財政危機の問題は欧州の一部の国の問題では無く、米国内でも各州で同じような財政危機が発生している事を言いたかったのかな?

 

ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる

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