iCloudってApple創業時の理念に逆行してない?


MacBook Airを購入したので、Mac関連の記事に目が留まるのですが、新しいMac OSのMountain Lionの紹介記事として「iCloudの対応」とあるのですが、僕は何故Appleクラウド化を進めるのかを不思議に思っています。

ビジネス面

IBMの様にエンタープライズ(企業)向けが中心のビジネスでは、クラウド化は各個人が持つ端末では無く、データーを保管するデーター・センター部のインフラにより大きな市場がり、このインフラ部分の市場を狙っているのですが、アップルの場合、個人向けが主な市場と思えるので、クラウド化して何かメリットがあるのだろうか?

MaciPhoneiPad上のデーターをクラウドで一元管理する事は、ユーザーにとっては便利なものですが、これは家庭内でのネットワーク化を進めれば済む問題なので、わざわざクラウドで外部へデーターを保管する意味が分かりません。たしかに外出時でもデーターへアクセス出来る便利さは理解しますけど。

製品面

考えられるメリットとして、クラウド化する事で各端末で必要なデーター容量が最小限ですむ事になり、各端末の製造コストの削減、販売価格の低価格化、性能以外の内容(デザイン、ブランド)が購入の決定要因となり、アップルにとっては有利な土俵になりますが。

クラウドは「新しい経験」になるのか?

アップルの成功要因として「新しい経験」を消費者に提案する事により、アップルとしてのブランドが構築出来た事の筈。クラウド化で「新しい経験」 を提案出来るのかな? 「クラウド」を全面に出す事は、アップル以外の普通の家電メーカーが行っていた様に、「まずテクノロジーありき」で、後付けでそのテクノロジーの利用方法を考えたの感じがするのですけど。

クラウドはアップル創業時の理念に逆行?

僕がアップルの「クラウド戦略」に違和感を感じている一番大きな理由は、AppleのPCが開発された80年前後は、IBM等の大型コンピューター、メインフレームが、ジョージ・オーウェルのあの「1984」の小説の様な管理社会を作る道具として見られていて、この大型コンピューター、メインフレームへの反旗として、Appleはコンピューターの力を個人が利用出来る様にPC(Personal Computer)を開発したと言っていた記憶がありますが、「クラウド化」って個人としてのコンピューターの利用から、反抗していた中央集権的なメインフレームの世界へ逆戻り?って感じてしまうのが違和感の原因なのですが。

CPU、データー処理を中央の大型コンピューターで行うのか、個人のPC上で行うかの違いはありますが、重要なのはデーターであって、それが「1984」の世界の様に中央で管理される事は、PCが開発された当時の理念とは違うと思います。