佐々木融 弱い日本の強い円

昨年の3.11の震災の後、円安になると思いドルをFXで購入したが、結局、円高になり、年末に二回目の為替介入が入った時に損切をした。
その為、昨年は為替相場の記事をよく読んでいたのだけど、記事の内容は良く分からず、結局、為替相場、FXはギャンブルと思っていた。
昨年末の金融日記のブログで紹介されていたこの本を年末に購入して、今日読んでいたのだけど、為替相場の記事は適当な記事が多い事が、この本を読んで分かった。
第一章の「円高と円安」に、この本の内容が要約されていて、第三章以下で長期、中期、短期での為替のメカニズムと本当の為替の返送要因が書かれている。

長期的には
為替は国力、経済成長率を表すものでは無い。したがって少子化は無関係。
1990年以降の21年間で、基軸通貨で最も強かったのは円で、弱かったのはドル。この間でアメリカの国力、経済力は日本より勝っていた。
円が強かったのは21年間で消費者物価が最も上がらなかった為(昨日も友人と話していたけど、離婚して、早期退職金でローンも払えば、一人の生活費は学生時代と同じ、月10万円で十分だよな。米国が90年より消費者物価指数が70%も上がり、ヨーロッパでも60%上昇している。これは確かに出張した時に、物価が高くなっている事を実感した内容)。

好景気でリスク選好度が高まると、円は弱くなる。
景気が悪くなり、リスク回避度が高まると、円は強くなる(今の円高は世界の景気が悪い為)。

中期的には国境を跨いだ資金の流れ。 貿易収支。
日本は経常赤字国にはなれない(前提)。
経常黒字の円に買われる理由は無い(ドル建輸出が前提)。
貿易赤字のドルに売られる理由は無い。


弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)

弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)