Trafic

Dave Masonが参加していたTraficの作品三枚を大人買いでは無く、大人聴き。 Apple Musicなので何枚聴いて、ダウンロードしても同じ料金なのだけど。

Mr. Fantasy - 1967 Traffic - 1968 John Barleycorn Must Die - 1970

僕が好きな60年代のロックの流れを再確認している様な感じなのだけど、こうやって当時の音楽を聴いていると、今まで腑に落ちなかったEric Claptonとか、Rolling Stonesの変化を当時の音楽の流行と比べて聴くことが出来るので、ClaptonにしてもStonesにしても当時の音楽の流行の影響を受けて作品を発表せざるを得なかったと言うか、先端の音楽を演っているうちに時代の変化について行ったのか。

こんなことを考えていると、音楽ビジネスまで考えてしまった。

70年代に中学時代、高校時代を過ごした世代なので、流行していた音楽はアメリカン・ロックからクロスオーバーの時代。 レイド・バックしたアメリカン・ロックには馴染めなくて、中学、高校時代は流行に反して60年代後半のブルース・ロック、イギリスのハード・ロックプログレのレコードを聴いていた。 これは学校とか社会にいちばん反発を感じていた時代なので、音楽にもそう言った反社会的なことを期待していたのだろう。 だから流行していた音楽を聴いている意識は無かった。

Apple Musicで60年代末の音楽を聴き直していて、インターネットで検索していると、なんと無く 違和感を感じていた。

その違和感とは、ブルース・ロック、サイケデリック・ロックは当時の流行の音楽であり、そこには流行=金儲け=ビジネス、別の面からはスターである事。流行してから好きになった訳で無く、スターであったから好きになった訳でなく、反抗期だった当時の僕は60年代後半のロックの音を生きていくために必要としていた。

だけど、これらの音楽がレコードとして販売され、今でも聴ける事は、当時、流行する=金儲けになると考えてレコードが発売されていた訳であり、クリームはシングルでは、アルバムでは、あくまでも当時のサイケデリック・ロックの流行を取り入れた作品。 ライブとしてはボーカルを中心としたブルースの形式からジャズのジャムセッションの形式取り入れたバンド。だからスタジオ録音盤に違和感を感じて、ライブ録音盤を聴いている。

その前に、イギリスで米国のブルース、R&Bブームがあった時、その米国のブルース、R&Bを自分達で演奏していたのがジョン・メイオールだったのだろうし、クラプトンもワインウッドも、ブルース、R&Bが好きで、その奏者だったのだろう。  とは言っても、日本のグループサウンズの様に、一般的には米国のブルース、R&Bそのままでは無く、イギリス人が解釈したブルース・ブレイカーズとかが英国で流行したことは理解できる。

それがクリームになって、本来はボーカルを中心としたブルースを楽器によるアドリブを中心にしたジャズに拡大したクリーム。 それが作品の販売とは別に失敗して、米国のR&B、スワンプに行ったのかな? 流行とは別の次元で、本人の音楽的嗜好の結果として。 レイラもロング・セラーにはなっているが、発売当時は売れなかった様だし。

ローリング・ストーンズが憧れのシカゴのチェス・スタジオに行った時に、マディ・ウオーターズがペンキ塗りをしていた逸話もあるが、ブルースのミュージシャン、米国の白人ブルース・プレーヤーも、イギリスのロック・スターであるクラプトンとかストーンズとは違って、音楽で生計を立てているプレイヤーだった様だし。だから、ジョニー・ウインター様に100万ドルの契約金とか、スーパー・セッションの様にレコード会社のコピーだけが空しく紹介されているけど、中身は流行とかレコード会社の思惑とは別にリアルな音。 

Apple Musicの場合、全くライナー・ノーツが無いので、インターネットで調べて聴いているけど、反対に情報だけが先に入って、音楽に集中できていないことを反省。

知名度としてDave MasonはEric Claptonに劣っていてるけど、Claptonは、この時代のDave Masonを気にしていていたのでは?と、ニヤリとして聞いてしまう。

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trafic

john barleycorn