グレゴリー・ザッカーマン 史上最高のボロ儲け

2004年から2005年頃の話なのだけど、僕も日本でマンションの購入を考えていた頃に、米国に月一回の頻度で出張していて、その時の米国側のメンバーの人が僕より少し年上なのだけど、日本人でグリーン・カードを取得して20年以上住んでいる人で、彼も家の買換えを検討していた時期なので、米国と日本の住宅状況の話を打合せ後にフーターズで良く話をしていた。

その時に聞いていた話が、米国では最初に小さな家を購入して、それを週末とか休暇でメンテナンスして購入した時の価格より高い価格で売却する事が出来て、新しい広い家を購入する事が米国の一般的な生活と言う話を聞いて、僕は日本では新築のマンションを購入した時点で価値が約2割下がり(だから頭金として2割が必要)とかの収集したばかりの日本の状況の話をしていた。

米国での住宅バブルが2008年に終息して、サブ・プライム問題が発生して、CDOCDS金融危機が発生している事は新聞等で読んでいたが、要は米国での住宅価格が常に上昇する前提で支払能力に不安のあっても住宅ローンを提供していて、住宅価格が横這い、或いは下落すると不履行になる住宅ローンの保険がCDSで、これをAIGとかが多量に販売していた為、住宅ローンの不履行が多発して、AIGが保険を購入した人に多額の金額を支払う必要が発生したとの内容が僕の理解。

簡単な原理としては上記の様に知っていたけど、実際の取引の方法は知らなかったので、この本では実際にどの様にCDSが取引されていたかが分かる。

住宅市場がバブルであり下落する事に掛けたくても、ゴミ投資家では投資が出来ず、ある程度の投資規模が無いとCDSを購入出来なかった事が分かり、CDSを購入する為に、銀行にCDOを作成させて、そのCDSを売らせた経緯とかを読むと、結局は仲間内でのポーカー・ゲームで、このポーカー・ゲームの敗者のAIG等を税金を保護した事を、米国の一般人が怒る事の当り前と思う。

サブ・プライムで大儲けする前のジョン・ポールソンはハーバードを出て投資会社で働いていても普通(普通以下?)の成績で、それでも年収とか生活も普通の一般企業で働いて得られるものとはレベルとは違う事も驚き。アナリストのパオロ・ベレグリーニも冷遇されているけど、普通の会社に勤めるよるは良い収入と地位と思う。

ジョン・ポールソン以外に、マイケル・バリー、ドイツ銀行のトレーダーであるグレック・リップマンの話も出てくるけど、住宅バブルの下落に賭けたのは皆、投資家の中の異端児である事も面白かった。