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ポール・オースター 幽霊たち

幽霊たち

初期の三部作を読み返しています。

二作目の幽霊たちも探偵小説の形をした小説。

一作目とは異なり、今回は本当の探偵のブルーが、ホワイトと言う依頼人の依頼でブラックと言う人物を彼のアパートの前の建物の一室から見張る。 ブルーは毎日、書物をするか、本を読んでいて、買い出し以外の外出は一回だけ。

ブラックは週一回、レポートを提出するが、ホワイトからのコメントは無い。最初は、この依頼の目的を考えたりしているが、段々と内省的になってきて、一種の脅迫概念の様にもなる。レポートを送っている私書箱でホワイトを待ち構えたり、浮浪者の変装をしてブラックと話をしたり、ホテルのバーで同席して話しかけたり、セールスマンを装ってブラックの部屋の中に入ったり、だけどこんな行動もブラックにわかっている事をブルーもわかっている。 最後には部屋に忍び込んでホワイトに送った調査報告書をブラックの部屋で見つける。ブラックは孤独な環境で小説を書いていて、その小説を書くところをブルーに見ていてもらい為に、ホワイトの名前でブルーに調査を依頼している。

小説の構成として推理小説の様な構成をしているが、描かれているのはブルーが変化していきブラックに似てくるところと、ホワイトの小説を書くと言う作業の孤独さ。小説の構成に気をとらわれないと、古典的な小説として読める。

題名の幽霊たちは浮浪者の変装をしたブルーとの会話の中で、ホワイトが過去の作家達の住んでいた場所を散歩している会話の中で出て来る。亡くなった過去の作家。。。幽霊たち。。。の力で、小説を書くことを継続している。