折原一 黙の部屋

黙の部屋

黙の部屋

この画家は本当にいるのだろうか?怖そうなストーリと思ったけどホラーの要素は無い。
折原一の小説に共通する伏せ線と思われるストーリが章を分けて平行し書かれていて、この小説も画家が幽閉されて絵を描く章が平行して挿入されているので、最初は石田黙が幽閉されて絵を描かされている、この絵がインターネットのオークションで売られていると思わせて、その後、この画家は石田黙では無く、贋作を描かされている。そして、と思わせて、最後に更に一捻りあると言う折原一の小説の醍醐味が味わえた小説。

この後、インターネットで検索していたら折原一氏のホームページに詳しく説明があって、折原一氏がインターネットのオークションでこの人の作品を見つけて、この作家の事を調べ、また他の作品を探しすと言う、この小説の最初と同じ事をしていた事が分かった。つまり、折原一氏が、この小説の主人公の様にこの画家の絵に引かれて、この画家を調べていく、半分、ノンフェクションだった。