幸田真音 日本国債

幸田真音 日本国債

確かに、株式とか、為替と比較して、国債の市場、デーラーは目立たない存在のだろう。僕も、国債については、株式が安くなる局面において、資金は国債へ向かう程度の認識で、株式の補完財としてとらえていて、国債、そのものには興味が無かったのだけど。

この小説の面白さとして、国債市場の現場が具体的に書かれている事で、まずこれがポイント。国債市場では、市場が狭いので、市場関係者が談合すれば、こういう事が出来るのかと言うのが、この小説を読んだ驚き。

主人公(男の方のね)が赤字国債を乱発する国の財政を憂いているから、国への警笛として入札のボイコットを画策するくだりは、前作のマネーロンダリングと同じくだり。更に、このボイコット自体が仕組まれたものと言うミステリーの構想。

最近の新聞記事で国債を購入しているのは外資が中心で、今回の金融危機で、本当にこの小説の様に国債が消化出来ないのではと書かれたブログもあったので、またこの小説も売れ始めるかもしれない。僕は、町田のブックオフの閉店セールで、100円の本を更に半額で買ったのだけど。

日本国債(上) (講談社文庫)

日本国債(上) (講談社文庫)


日本国債(下) (講談社文庫)

日本国債(下) (講談社文庫)