村上春樹ブック

20131015-205921.jpg 近所のブックオフで見つけた本。

最近の村上春樹本かなと思ったが、文學界の発行だったので発行日を見ていると、1991年の文學界四月号の増刊だったので購入。「ノルウェイの森」の直後であるが、1980年代の初期のカルト的な人気のあった村上春樹の作品が中心となっている。

川本三郎氏が初期の作品の特徴である空虚さを解説していて、その論文のタイトルが「この空っぽの世界のなかで」で、「村上春樹にとってリアルとは通常の意味とは違って、世界の空虚さ、希薄さ、つまりリアリティのなさを何度も何度も確認していくことなのだ」と、村上春樹論を書き始めている。

80年代はバブルの時代だったけど、映画ファン、音楽ファンが多かった僕の友人たちの間では、まだカルト的な人気があった頃の友人達との村上春樹論の会話を思い出して懐かしい。