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ポール・オースター シティ・オブ・グラス

ポール・オースターの処女作を再読。

柴田元幸訳の本が出版されているらしいのだけど、僕は1990年に購入した角川書店の山本楡美子・郷原宏訳の本を本棚から探して読んだ。

あれと思って、持っている初期のニューヨーク三部作の後書きを調べてみると、このシティ・オブ・グラスが1989年3月、新潮社から発売された「幽霊たち」が1989年5月、白水社の「鍵のかかった部屋」が1989年8月で、出版順には日本でも出版された様なのですが、僕が最初に読んだのは「鍵のかかった部屋」、その次が「幽霊たち」で、最後に、この「シティ・オブ・グラス」を読んだと思う。

主人公がクィンと言う名の35歳の推理作家。前に読んだ時は気がつかなかったけど、5年以上前に妻子を無くしたショックから立ち直っている背景がある。そのクィンにポール・オースターと言う名前の探偵あての間違い電話がかかる。最初は間違いであることを指摘したが、クィンはポール・オースターと言う探偵のふりをして依頼者に会う。

依頼者は子供の頃に実験の為、隔離された環境で育てられた青年。 子供を隔離された環境で育てると神からの言葉を覚える筈と狂信的な父親に育てられたが、火事で発見され保護された。その父親が出所して、青年を殺しに来る為、探偵を雇ったと言う設定。

父親は出所したが子供のアパートメントには行かず、安ホテルに泊まりニューヨークを歩き回る。クィンを最初はその行動をつけていて、父親バベルの塔のスペルを従ってニューヨークを歩いているのが分かる。更に父親にコンタクトをして、途中で拾った物の名前をつけていることを知る。

しかしながら父親は急遽、安ホテルをチェック・アウトして行方が分からなくなる。クィンは依頼者のアパートの前に父親を待ちながらホームレスの様になる。金が無くなり、ポール・オースターに金を受け取りに行く(依頼者の小切手がポール・オースター名義の為、ポール・オースターが現金化する約束になっていた)、そこで依頼者の父親が行方不明後、自殺をしたことを知る。

クィンは依頼者のアパートメントに行くが、依頼者は既にいない(引越ししたというより、依頼者も幻想だった様な感じ)。クィンはそこで生活をするが、どんどん夜の時間が長くなる。

最後にポール・オースターの友人がポール・オースターと一緒に依頼者のアパートメントでクィンの残した赤いノートで、この話を書いた事で終わる。

幻影の書を読んで、再びポール・オースターの世界に入ってしまったが、この処女作の「シティ・オブ・グラス」から変わらない世界。

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