藤原新也 アメリカ

この本も発売当時に購入した本。僕がドイツに引越す直前の1990年の発売。学生時代の1980年か、1981年にアメリカをグレイハウンド・バスで二ヶ月間掛けて一周した事があり、読んだ当時はその時の記憶が強く蘇ってきた記憶がある。

その後、ドイツに住んでいる時に読み直した事があり、その時は欧米の生活様式の孤独感が米国もドイツも同じである事を感じた。 家と家との間が間隔が広く、健康の為に敢えて歩く時以外は、煙草を買いに行く時も車での移動。

アパートメント、日本で言うマンションの作りも頑丈で、土日も隣人の生活の物音も聞こえない。僕がドイツの同じマンションに七年間住んでいて、隣人に会ったのは一回きり。

そんな風に、日本、アジアと比べて、欧米での生活は他人との距離感が広いので、生活していて孤独感を強く感じる部分に共感を覚えた。 これは最初に読んだ時には感じなかった事。

結婚して子供が出来て、郊外の新興住宅地のマンションを購入してから、何となく感じていた圧迫感に襲われて、読み直してみようと思っていたのだけど、中々読み直す時間がなく、今回読み直した本。

今回、読み直してみて、強く感じたのは著者の家族観が見えない事。

アメリカ (集英社文庫)

アメリカ (集英社文庫)