今邑彩 繭の密室

結局、四作目まで読んでしまった。
この作品も一番意外な人が犯人だったが、最初に発生した密室殺人もどきの謎解きが、前作と同じで、前作から読んでいる人はこの謎解きは誰でも分かると思う。
過保護と少年犯罪の関連と言う社会派的な事も表現したかったと思うのだけど、描ききれていないし、最後のエピソードは不要では？

あとがきの中で、実践の将棋の対戦と詰め将棋を比較して、詰め将棋の無駄な無い美しさを推理小説と比較しているけど、この小説ももう少し枝葉をとった方がすっきりすると思う。

　繭の密室 (中公文庫) (文庫) / 今邑彩/著