橘玲 永遠の旅行者

永遠の旅行者〈上〉 (幻冬舎文庫)

永遠の旅行者〈上〉 (幻冬舎文庫)


小説、マネーロンダリング、海外投資家シリーズを書いた橘玲氏の作品が文庫本になったので購入。読み始める前までのイメージは、ノウハウ書的な小説で、どの様な手を使って、今回20億円の遺産を一円を政府へ納税せず孫娘に相続させるのかなと言う興味で購入したのだけど、実際読み始めてみるとハードボイルドのストーリ、文章でなかなか良い。まだ上巻しか読み終えていないのだけど。
小説のテーマである永遠の旅行者は、所謂、どこの国にも住民票を持たない非居住者を指すらしい。過去、日本の非居住者を経験した僕としては知っていた内容もあるのだけど、この辺りの法律も色々変わったりしているんだなあ。
昔、付き合っていた中国人、いや香港人、台湾人、今でも華僑と言う呼び方で良いのだろうけど、彼らのしていた事、考え方を考えると橘玲氏の小説の主人公も子供っぽく思えてくる。日本人でも一部の裕福層はこういったノウハウを高い金を払って入手しているのだろう。所詮、普通の日本の給与所得者には関係無い世界なのだけど。

8月18日
読み終える。
最後にミステリーらしいどんでん返しもあって、ミステリーとしても中々面白かった。
相続税の件は、これしか方法は無いのかな? 他にも相続税を払わない方法がありそうに思えるのだけど。
エチオピアのハイレ・セラシエがジャマイカを訪問した時のエピソードが、この小説の中に入っているのだけど、これは作者の趣味? ハワイの描写も細かいし。