橘玲 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

僕も海外で住んでいて非居住者だった時期があるので、非居住者に対する税金の話について書かれた本とか、取引でマネーロンダリングの話を聞いたりしていていたので、これらの問題について書かれていた橘玲の著書を読んでいた。

この本もそういった海外投資、人生設計(日本に住むより海外で住もう)について書かれた本かなと思って購入したのだけど全く違った。

自己啓発書に対する疑問。 遺伝に対するタブー。 能力(知能)と比較優位理論。 能力主義は正しい考え方(人種、国籍、家柄等、他の基準での評価に比べて)。

心理学の学説により自分は変えられないと切り捨て、幸福とは何かを理論的に説明して、その中で幸福を見つける方法とは何か?

普段の生活ではタブーとなっている学説を紹介して、これが現実で、その他の大勢の人にとっては悲観的な学説である事を証明して(ここで一度、自己啓発書等に感じている疑問を解決して)、その中で著者が前向きな方法を見つけて説明している。そのキーワードが「伽藍を捨ててバザールへ向かえ。恐竜の尻尾のなかに頭を探せ」。

読んでいる途中からなんとなく感じている事があって、それは著者が男の四十代の悩みを乗り越えた記録なんだろうなと思っていた。 後書きの最後に、「ここまでぼくの話を聞いてくれたのだから、君はぼくに似ているのだ」と結んでいた。

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法