ポール・オースター リヴァイアサン
何年か前に購入したが途中から読み進められなかった本。風邪を引いて家に閉じこもっていて、本棚を整理していた時に見つけ、あらすじを読んで面白そうなのでもう一回挑戦。
前回、読み進められなかった理由は、第1章の雰囲気に入り込めなかったからであることを思い出した。
サマー・ハウス(夏の間のセカンドハウス)の描写と、社交的な友人とその魅力的な恋人の話が「華麗なるギャッピー」と似ていて、僕はこんな小説を読みたいと思っていたのでは無いことで、前回は途中で読むのを止めてしまった。
第2章からポール・オースターの世界。
失踪した友人を探すミステリーの雰囲気と、主人公の満ち足りた孤独的な世界。
失踪した友人も主人公の作家も、どちらも金銭的、社会的、恋人、友人関係に満足しながら、「欠けたもの」を持っているが、それなりに満ち足りた生活を送っている。
小説の構造が単純に時系列になったおらず、また入れ子構造にもなっているので、あらすじだけで述べるとつまらなく聞こえる恐れもあるが、まずは全米の自由の女神像を破壊している犯人が誤って亡くなった話。この事件の調査に主人公である作家を訪ねる話。主人公はその犯人が友人であることを知っている。
ここで時間は戻り、主人公が失踪した友人を探している間に、友人が第三者のある人物を誤って殺してしまったが分かる。 この第三者と主人公と友人の間の人間関係の描写もポール・オースターの世界なのだけど。
友人は友人が誤って殺してしまった人物を関わりを持っている間に(作家である主人公は友人を捜し、友人は殺してしまった人物を捜す入れ子構造)、その誤って殺してしまった人物の目標。。。アメリカ中の自由の女神像を破壊する事。。。が分かり、それを引き継ぐ事に取り憑かれていく。
第2章からは一気に読み終えてしまった。