Live At The Plugged Nickel

マイルスを初めて聴いたのは、The Man With The Honeが発売されたときだったので40年前になる。私は70年代後半からのクロスオーバー・ブームでジャズを聴き始めていたので、The Man With The Honeも『マイルスの復活』の謳い文句で販売されていてCDを購入して聴いていた。結局、当時発売されたクロスオーバーのアルバムの一枚として感じていたのだろう。Bitches Brewまで時代を遡って聴いてみたが、『硬いなぁ』と言うのが当時の印象だったと思う。私は当時もっと『柔らかい』音を好んで聴いていた

中学、高校とロックを聴いていて、大学時代はブルース、ソウル、クロスオーバーを中心で聴いていて、会社に入ってからもマウント・フジのビデオを見たり、ジャズ・シンガーを目指す女友達のライブへ行ったり、取引先の部長がジャズ好きで接待費で青山のジャズ・クラブへ行ったりしていてジャズには接していて、マイルスもRound About Midnight、マラソン・セッション等まではジャズの雰囲気を楽しんで聴いていたのだけど、個人的にマイルスに嵌っていた歴史を持っている訳では無い。

なので、この1965年のライブのアルバムも今年になるまで知らなかった。昨年からの在宅時間が圧倒的に増えたおかげのマイ・ジャズ・ブームの中で、クールの誕生の映画を見たり、菊地成孔大谷能生のM/Dを読んだりして、今年になって初めて60年代のマイルスを聴いていた。

サブスクリプションだとアルバムを聴いて、気に入ったらライブラリーに登録する方法だけど、この時に物理的なCDの枚数が分からないので、このアルバムが8枚組であることに驚く。ダイジェスト盤が出ていて、その後、この完全版が発売された事を知る。

ロック界にジミー・ヘンドリックスと言うギタリストがいるが、このジミー・ヘンドリックスも私は中学時代に友人が持っていたアルバムを録音させてもらったりして聴いていたのだけど、本当に凄いことを実感したのが1969年12月31日と1970年1月1日のフィルモア・イーストのライブが2-3年前に完全版になって発売されて聴い事で、今回のLive At The Plugged Nickleを聴いて衝撃を受けていることと近い感情。

スタジオで録音したアルバムとは別の次元で、当時のライブを大音量で聴くことで見えてくることもある。